はじめてのチェンマイ③

解剖実習で学べること

先日は今回のチェンマイの旅、1番の目的と、わたしが何度も解剖実習に行く理由を書きました。
その1番の目的、解剖実習に行ってどうだったのかを書こうと思います。

「顔の骨」について。
例えば、今は「小顔」コースがあるサロンも多いと思いますが、いろいろな小顔メゾットがあります。わたしも施術で顔に触れます。
その「顔の骨」について、本当のことを知っているかによってアプローチの仕方が変わるというお話しです。


顔がある頭蓋骨は、新生児の頃は約45個の骨で形成され、大人になるにつれて骨が癒合し、最終的には22個の骨から構成されます。顔(額ははいらない)だけでいうと14個。
これらの骨が「縫合」という関節でつながって、頭や顔のかたちを形成しています。

この「縫合」、関節ですので動くとか動かないとかいろいろ言われますよね。
前にもお話しした3Dのアプリなどでみると、ひとつひとつの骨を分解できるからというのもありますが、頭蓋骨を内部から見ると「縫合」の線がしっかりあります。

しかし、実際にチェンマイ大学で見たホンモノの頭蓋骨には、その「縫合」、表面にはあるのに、頭蓋骨内部から見たときにはそれが全くない。
内部から見ると線の跡などがあとかたもなく、つるつるでまるでひとつの骨のようだったわけです。
実際に解剖学の教授に聞いても「縫合は動かない」とのこと。

これは全身にいえることですが、年齢が経過するにつれて人間の骨の数は徐々に減っていきます。成人になるまでという意味ではなく、成人以降もどんどん癒合がすすみ、数が減っていくのです。そしてそれは頭蓋骨にも言えることだったわけです。

わたし自身は、頭蓋骨を内部から見たときに、まさか縫合の痕跡が全くないとは思っていませんでした。
なぜ表面には残っているのかを聞いたところ、癒合は内部からすすんでいくからだそうです。(それはそうですね、表面からすすんだら何だか違和感ですよね)

これはほんの一例ですが、解剖実習で本物を見たからはっきり言えること、発見することが山ほどあります。それによってアプローチはまったく変わってきます。


「机上の空論」の域を出ない。
とはこのこと。


何でもそうだと思いますが、「実物」を見たことがあるかはとっても大切なことなのです。



次回はこのチェンマイの旅、完全プライベート時間についても少し書いてみたいと思います。

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